調味料の「さしすせそ」って、よく耳にするんだけど…どういう意味?
私がこの言葉を知ったのは、お料理初心者だった随分と昔のこと。だけど当時は、意味までは理解していなかったんですよね…(^^;
私が料理講師になってからは、生徒さんには「さしすせそ」の意味を伝えるようにしています。なぜなら、これにはちゃんと意味や理由があり、大事なことだから。
その中でも特に、調味料を入れる順番は重要なポイント! これで煮物の味が全く違ってくるんですよね(^^; 不味いか美味しいかっていうくらい(笑)
思い起こせば、手探りで見よう見まねでお料理をしていたころは、失敗の連続だったなぁ…。それでも、お料理が嫌いではなかったので、
- なぜしょっぱいんだろう?
- なぜ甘くならないんだろう?
- なぜ不味いんだろう?
- どうすれば美味しくなるの!?
と、日々戦っていたような気がします(笑)
そんな中で気付いたのが、調味料の「さしすせそ」には意味がある! ということだったのです。このことを理解してからは、味付けが上手くいくようになりました♪
というわけで今回は、調味料「さしすせそ」について、
- それぞれの調味料の役割
- 酒・みりんの役割
を徹底的に詳しくお伝えします!
これが理解できれば、和食の味付けも簡単! きっとお料理上手になれるはず♪
どうぞ最後までご覧になってくださいね(#^^#)
目次
調味料「さしすせそ」の意味とは?
ズバリ! 「さしすせそ」とは、和食における味付けの基本となる調味料のことなんですね。それを覚えやすく語呂合わせにした言葉です。
そして、この調味料を上から順番に入れていくということがポイントになってきます。
- さ→砂糖
- し→塩
- す→酢
- せ→醤油
- そ→味噌
ここまでは、何となく聞いたことがあるかもしれませんね。では次に、それぞれの意味や役割について詳しく見ていきましょう♪
「さしすせそ」のそれぞれの意味と役割
どうやら「さしすせそ」は、調味料の頭文字のようにも見えますが、「せ」→醤油(しょうゆ)と「そ」→味噌(みそ)はちょっと違うようです。ここが混乱してしまうところなんですよね。
醤油は、昔の仮名遣いで「せいゆ」と書くことから、「せ」→醤油(せいゆ)となり、味噌は、頭文字ではなく後の文字から、「そ」→味噌(みそ)となったんでしょうね。
ちょっと強引な気もしますが…(^^; これは気にせず、このまま覚えちゃいましょう! とは言っても、意味を知らなければなかなか覚えられないし、上手に活用できません。
「さしすせそ」のそれぞれの意味と役割を理解すれば、和食の味付けが上手く出来るようになります。肉じゃがだって美味しく作れちゃいますよ。
それでは、ひとつひとつ説明していきますので一緒に見ていきましょうね(#^^#)
さ→砂糖
肉じゃがなどの煮物を作るとき、最初に入れる調味料は砂糖です。理由は、砂糖の分子は塩に比べて大きく、素材の細胞に浸透しにくいためです。
文字にすると難しく見えちゃいますが、要は、砂糖は味がしみこみにくいので、味がしみこみやすい塩を先に入れてしまうと、砂糖の入るスペースがなくなっちゃうんですよね。
なので、先に塩を入れてしまうと、いくら後から砂糖を足しても、思うように甘味がつかないんです。私はこの失敗を経験したことがあるので、重要なポイントとしてお伝えします。
砂糖の主な役割
- 料理に甘味を付ける
- 料理の旨味を増し、コクを出す
- 料理に香ばしさ・照り・ツヤを出す
- 素材の水分を保ち、しっとり仕上げる
和食の調味料で使う砂糖には主に、上白糖・三温糖・黒糖などがあります。それぞれに特徴があるので、お料理に合わせてお好みのものを使ってくださいね。
し→塩
塩の分子は小さく、味が浸透しやすいのが特徴です。必ず砂糖の後に加えましょうね。そして、入れ過ぎには注意が必要です。分子が小さいがゆえに、少量でも味が馴染みます。
入れ過ぎてしまうと、もうどうすることもできません。しょっぱ過ぎるとお料理は不味く感じてしまい、これが失敗の原因となるんですね。私はこれも経験アリです(^^;
「調味料は控えめに入れてくださいね。足すことはできても、引くことはできませんからね~」←これは、私がお料理を教えるときに、必ず伝えることです。
塩の主な役割
- 料理の味を引きしめ、塩味を付ける
- 料理の酸味を和らげる
- 食材の殺菌・防腐・臭み消し
- ぬめり・アク・水分を除くなど、食材の下処理を行う
和食の調味料で使う塩には、精製された食塩・精製されていない粗塩などがあります。粗塩は精製塩に比べ、味が深く旨味を感じられるので、私はこっちのほうが好きです(#^^#)
す→酢
酸味を与え、味をまろやかにする働きがある酢ですが、最初に入れてしまうと、塩以上に砂糖の侵入を妨害してしまいます。だから、砂糖よりも塩よりも後で加えるということになります。
酸味を生かしたい場合は、煮すぎないように最後のほうに加えます。酸味を消してコクを残したい場合は、加えた後も煮込むといいですよ。
お酢を加えるのは酸味をつけたいときだけ、と思いがちですが、実はそれだけではないんですよね。
お酢を加えることによって、旨味とコクが増し、塩分が少なくてもしっかり味を感じられるので、減塩にもつながるのです。
お酢の役割
- 料理に酸味・風味を付ける
- 料理の塩味を和らげる
- 食材の殺菌・防腐・臭み消し
- 変色防止・漂白など、食材の下処理を行う
和食の調味料で使う主な酢には、穀物酢・米酢があります。小麦・米・トウモロコシなどの穀物を2種類以上使った穀物酢はくせがなく、どんな料理にも合わせやすいです。
一方、米を原料として作った米酢は日本の代表的な酢で、和食には最も適していると言えそうですね。私は、黒酢を使うことが多いです。他にもワインビネガーやバルサミコ酢も大好きです(#^^#)
せ→醤油
和食の調味料には欠かせない醤油は、香りや風味を生かすため、仕上げ直前に使うのがコツです。味をしっかり浸み込ませたい場合、例えば肉じゃがなんかは、先に半量ほどを加え、仕上げに残りを加えて風味付けをしたりする方法もあります。
2回に分けて加えることで、味が濃くなり過ぎることも防げますよ。醤油も入れ過ぎてしまうとしょっぱくなり、味を薄めることは難しいのです。もう一度お伝えしますよ↓
「調味料は控えめに入れてくださいね。足すことはできても、引くことはできませんからね~」
醤油の役割
- 塩味・旨味・甘味で料理の味に深みを与える
- 料理の色付けや香り付けをする
- 食材の臭みを抑える
和食の調味料で使用するものは、主に濃口醤油と薄口醤油です。通常、醤油と言えば濃口醤油のことを言います。香りが高くコクと旨味が特徴で、煮物・焼き物・たれなど幅広く使用されます。
薄口醤油は、素材の持ち味や色合いを生かしたい煮物や和え物、吸い物などに使用します。
薄口醤油は濃口に比べ、色や香りが淡く塩分が高めです。薄口と言う文字から、「味が薄い=塩分控えめ」と思いがちですが、実は逆なんですね。私も最初の頃は勘違いしていましたよ(^^;
最初から無理して2種類とも買いそろえる必要はありません。濃口醤油だけでも十分お料理はできますよ♪
そ→味噌
お味噌汁をはじめ、日本の食卓には欠かすことのできない味噌は、グツグツ煮立てると香りや風味が損なわれてしまいます。仕上げに加え、ひと煮立ちしたらすぐに火を止めましょう。
しかし、お料理によっては例外もあります。サバの味噌煮なんかは、サバの臭みを消すためや味をしっかり出すために、早い段階で味噌を加えて煮込んだりもします。
味噌の役割
- 料理に塩味や風味を付ける
- 独特の発酵臭で料理の旨味を増す
- 食材の臭みを消す
味噌は種類が多く、色・原料・産地も様々で、数百種類はあると言われています。一般的に広く使われているものは、2種類以上をブレンドした合わせ味噌です。
私が生まれ育った地域では、麦から作られる麦味噌を使っていました。現在住んでいる東京では、生まれ故郷の味噌は手に入らないので、色々な味噌を使っています。
でも、故郷の味噌が恋しくなるんですよね…。小さいころから慣れ親しんだ味は、何年経っても記憶しているもんですね。お醤油とお味噌は、できれば地元・故郷のものを使いたいな~(*´▽`*)
私の主観も交えながらお伝えしましたが、「さしすせそ」の意味は理解できたでしょうか? だけど、和食の調味料で何か足りないものがあると思いませんか?
そうです! 和食を作るうえで「さしすせそ」以外で大事な調味料と言えば、酒とみりんですね。
では次に、酒とみりんについても簡単に見ていきましょうね。
酒とみりんの役割
「さしすせそ」には入っていない酒とみりんですが、こちらも和食を作るうえで大事な調味料です。一説には、「さ」→酒なんてことも言われているようです。
いずれにせよ、それぞれの意味や役割を理解すれば、お料理は上手になっていくものです。あっ、もちろん理解したうえで実践することが大前提ですよ(#^^#)
まずは、酒について詳しく見ていきましょう。
酒の役割
- 料理に香りや風味を付ける
- 料理の旨味を増し、コクを出す
- 食材を柔らかくする
- 食材の臭みを消す
和食の調味料で主に使用するのは、清酒と料理酒です。清酒とは、飲用の日本酒のことです。料理酒は、食塩や酢を添加したり、旨味の元となるアミノ酸が多くなる工夫をして醸造されたお酒です。
料理酒は食塩などが添加されているため、飲用には向きません。料理に使うときは、量の加減にも注意が必要です。
料理に入れるタイミングは、砂糖よりも前の段階で、一番最初に入れましょう。これは、食材の臭みを消したり柔らかくして、この後に加える調味料を馴染みやすくさせる効果があります。
「さしすせそ」の「さ」は、酒・砂糖と覚えておくのも間違いではなさそうですね。
最後に、みりんについて見ていきましょう。
みりんの役割
- 料理に甘味を付ける
- 料理の旨味を増し、コクを出す
- 料理に照り、つやを出す
和食の調味料で使用するのは、主に本みりんとみりん風調味料です。本みりんは、蒸したもち米から作られる甘い濃厚な酒で、日本独特の調味料です。砂糖よりも上品な甘さで、旨味もあります。
みりん風調味料とは、高濃度の糖蜜液にアミノ酸などの調味液を加えて、みりんに似せて作った調味料のことなのです。購入するときは間違えないように注意してくださいね。
調味料を入れるタイミングは、特別決まりはないように感じます。お酒や砂糖と同じ早いタイミングで入れる場合もあれば、照りを出すために、仕上げに最後のほうで加えたりする場合もあります。
本みりんか、みりん風調味料かによっても、入れるタイミングは違ってきそうです。それぞれの調味料の性質や特徴を理解すれば、入れるべきタイミングが自然と分かってきますよ(^_-)-☆
おわりに
いかがでしたか?
調味料の「さしすせそ」についてお伝えしました。最後にもう一度まとめてみましょう。
- さ→砂糖
- し→塩
- す→酢
- せ→醤油
- そ→味噌
- 砂糖→砂糖の分子は塩に比べて大きく、素材の細胞に浸透しにくいため、最初に加える
- 塩→塩の分子は小さいため、素材の細胞に浸透しやすので砂糖より後に加える
- 酢→酸味を残したい場合は、最後のほうで加える
- 醤油→香りや風味を生かすため、最後のほうで加えるか、数回に分けて加える
- 味噌→香りや風味を生かすため、仕上げに加え煮立たせない(煮込む場合もある)
- 酒→食材の臭み消しや柔らかくする効果があるため、砂糖よりも前に加える
- みりん→甘味を付けたり、照りつやを出す効果があるため、最初に加えたり仕上げに加えたりする
簡単にまとめてみましたが、調味料を入れる順番、それぞれの役割や特徴など理解できたでしょうか?
頭では分かっても、実際にお料理をしなければ、ちゃんとは理解できないと思うんですね。何度も作って、失敗も繰り返して初めて自分の味が生まれます。
まずは調味料の「さしすせそ」の意味を理解して、お料理をしてみてくださいね。きっとコツがつかめるはずです! お料理が上達する近道ですよ(^_-)-☆
最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m